4ページ目/全4ページ 男のモノなど、当然、触った事も無いが、自分が自慰を行う方法と同じようにしてみた。 左手で砲身を上下に掻きながら、右手でカリ首の溝を刺激してみる。すると、サンジの尿道からは 透明な雫が垂れ始め、ゾロの腕を濡らすようになった。 そうすると、サンジは艶のあるうめき声を上げ、身体を跳ね上げるような動きをしている。 ギシギシとベッドは揺れ、サンジの声は両隣の部屋から聞こえる物と良く似ていた。 「そ、そんな奇妙な事をするのか? その売春婦と言う職業の人は? 」 「奇妙……って、お前、した事が無いのか? 自分でしているだろ? 」 「あ〜? 何で、尿も出ない時に、そんな場所を触る必要があるんだ? 」 本気かよ、と思い、今度はゾロがうろたえてしまった。 あやうく、「尿じゃ無いモンも出るだろうが! 」と叫びたくなったが、その説明もしろ、と 言われるのが恐ろしいので、何とか思い留まった。 どうやら、この王子様は自慰も経験した事が無いらしい。 王宮の性教育は、一体、どうなっているのだろうか? 前に、宮殿の庭で昼寝をしていたら、サンジに捕まり、《 付き合っている女性はいるのか 》と 訊ねられた事があった。 ゾロは「いない」と答えた。 すると、サンジは大笑いして「自分には50人もいるぞ」と、自慢げに答えたのだ。 驚いて、良く聞いてみると、「舞踊会で一緒に踊る女性」の事を言っているらしい。 ダンスをしたり、一緒に庭を散歩したり、話をする事を「付き合う」と言っている様子なのだ。 その時も、いつものように面倒臭かったゾロは、特に反論もしなかった。 こんな事なら、一つ一つ、きちんと教えるべきだったと、ゾロは今になって後悔していた。 とにかく成り行きだったが、サンジの硬くなった男根を必死でしごくゾロだった。 その姿は間抜けたが、それ以上に間抜けなのは、サンジ王子である。 ゾロに、ほんの数分間、弄られただけでイってしまったのだ。 「あ、あ、あ〜! 」 なんて、盛大な叫び声をあげて背筋をのけぞらせると、砲身から白い汁を噴出させた。 とんでもなく早漏だったが、ここで何か言うと、またやっかいな事になりそうだったので、 ゾロはひたすら無言に徹した。 尿道口から飛んだものは、サンジの腹の上に流れて散った。 それを自分の指ですくうと、サンジは眺めたり、匂いをかいだり、尿との違いを確かめている 様子だった。 そして、実に不可解だ、と言う顔をして、ゾロを振り返った。 「なあ、こういう事でお金が貰えるものなのか? 確かに、俺は気持ちが良かったけれど。 やっているお前はどうなんだ? 」 ゾロは返答に困ってしまった。 確かに、ゾロは気分が良かったかと言うと、難しいものがある。 「あの綺麗なお姉さん達は、ちゃんと仕事として成り立ってんのか? この商売はどれくらい儲かるものなんだ。これで生活ができるのか? 」 急に真剣な表情で聞いてきたサンジに、ゾロは驚いた。 売春婦と言うと、裏街道の仕事だ。 蔑まれる事が多いが、サンジの場合、きちんと仕事だと理解した上で、その生活の心配を しているらしい。 ゾロは 「王子はアホだ」 と常日頃思っているが、人間としては間違った事をする男ではない とも知っていた。 将来、バラティエ王家を背負うワケだが、素質としては、問題は無いような気もする。 ![]() 実際の話、ゾロはサンジに内緒にしている事がある。 王位継承の条件になっている 「オールブルー」 は伝説にすぎないのだ。 王家の代々の王は、それを見つけた事が無い。 この旅の本当の目的は、オールブルーを探す中で、王子が世界を知り、知識と経験を磨き、 立派な王になるための学びのために用意されたものだった。 ゾロがもう十分だと判断すれば、それで旅は終わりになる。 サンジには教えられていないが、真相はこうだった。 ![]() しばらく、ベッドで何事が考えていたサンジが、真顔でゾロに聞いてきた。 「なあ、お前も、コレをしていたのか?」 「ああ? コレ?」 ゾロは意味がわからずに、訊ね返すと、サンジ王子はこんな言葉を続けた。 「お前も旅の途中で、路銀に困ると、こうやって 《 男娼 》 をやっていたわけか? 」 「んなワケあるか! このボケ! 」 絶叫するゾロだった。 王子に対してボケってなんだ! と、すぐにサンジはゾロに素足のままで足蹴りを入れてきた。 この王子様が国に帰る事になるのは、まだとうぶん先の話になりそうだった。 今日の出来事を、当然、従者は王宮には報告できなかった。 〜無知は罪〜 了 3ページ目へ戻る 小説マップへ戻る |